開業までの道のり

構想・事業化の経緯

幻の新幹線構想

幻の新幹線構想

1966(昭和41)年、新東京国際空港(現在の成田国際空港)建設の閣議決定に伴い、東京駅と空港を30分で結ぶ「成田新幹線」の建設が計画されましたが、この新幹線計画は、当時の建設反対の風潮と相まって沿線地域の理解が得られず、中断せざるを得ない状況となり、空港への直接乗り入れは実現には至りませんでした。

成田国際空港への鉄道アクセスとしては、1978(昭和53)年、京成電鉄株式会社が成田国際空港の開港と同時に空港への乗り入れを果たしましたが、東成田駅(当時の成田空港駅)から空港ターミナル(現在の第1旅客ターミナル)まではバスで移動をしなければなりませんでした。

その後、1991(平成3)年、京成スカイライナーとJR成田エクスプレスが、成田新幹線構想において整備された旧新幹線ルートを活用し、成田国際空港の空港ターミナルへの直接乗り入れを開始したのです。

成田新高速鉄道構想

成田新高速鉄道構想

成田国際空港への鉄道アクセスは、開港直前に当時の運輸省が新たな構想を発表するなど政府の重要な課題でもありました。さらに、成田国際空港の航空需要の急速な増大や、空港ターミナルへのアクセス鉄道の社会的要請の高まりを受けて、運輸省(現在の国土交通省)は、1981年(昭和56)年に新東京国際空港アクセス関連高速鉄道調査委員会(八十島義之助委員長)を立ち上げ、関係者間による空港への直結鉄道計画の調査を開始しました。

そして、翌1982年(昭和57)年、同委員会が運輸省に対しA案、B案、C案の3案のルートを提案。1984(昭和59)年、運輸省は、北総鉄道・住宅都市整備公団(現在の千葉ニュータウン鉄道線)と空港を結ぶ民鉄ルートのBルートの推進を発表しました。

これが、今日の成田新高速鉄道(路線愛称 成田スカイアクセス)です。

A案~C案 ルート図

開業に向けて

着工式

着工式
着工式

「成田新高速鉄道・国道464号北千葉道路(印旛~成田)着工式」が2006(平成18)年2月4日に執り行われました。

式典は、鉄道の整備主体である成田高速鉄道アクセス株式会社、及び鉄道と一体整備される北千葉道路の整備主体(千葉県・国土交通省関東地方整備局)との共催で行われ、江崎国土交通副大臣、佐藤国土交通事務次官、堂本千葉県知事他地元関係者や関係鉄道事業者等約400名の方々にご出席いただきました。

式典では、関係者から予定された期日までの完成を目指し、最大限の努力を傾注する決意が表明され、多岐にわたる関係者の意識統一が図られるとともに、工事の無事と早期完成を祈念して鍬入れとくす玉割が行われました。

印旛沼橋梁の併合

併合式
併合式
併合式

印旛沼橋梁の建設では、周辺が軟弱な地盤で橋脚の深さは水面下45mとなりました。この新線建設区間の中で特に難しい工事をしいられた印旛沼橋梁の土木工事が2009(平成21)年9月10日に終了し、成田新高速鉄道プロジェクトの起点である京成高砂駅から終点の成田空港駅までの土木構造物の全てがつながりました。

空港第2ビル駅増設ホームの使用開始

空港第2ビル駅仮オープン式
空港第2ビル駅仮オープン式

成田新高速鉄道工事の進捗に伴い、新たに整備した空港第2ビル駅増設ホームが、2009(平成21)年11月14日から京成電鉄の空港第2ビル駅上り線ホームとして暫定使用されました。また、この暫定使用に先立ち、前日の11月13日に京成電鉄株式会社、成田国際空港株式会社、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構など関係者出席のもとオープン行事が執り行われました。

全線のレールが締結

ボルト締結
ボルト締結
モーターカー渡り初め
モーターカー渡り初め

新線建設区間での軌道敷設工事が概ね完了し、2009(平成21)年12月9日印旛沼橋梁において地元自治体の小泉成田市長、佐藤印旛村長、独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構及び工事関係者によるレール締結式が執り行われました。

式典では、ボルト締結、テープカット、そしてモーターカーの渡り初めを行いました。

電力供給開始

火入れ式
火入れ式

電気設備工事も順調に進捗し、2009(平成21)年12月22日、松虫変電所(印西市)において電力供給を開始する「火入れ式」が工事関係者出席のもと執り行われました。

レールウォーク

レールウォーク 撮影:宇佐見利明氏
レールウォーク 撮影:宇佐見利明氏

都心と成田国際空港とを36分で結ぶ成田新高速鉄道の開業前に、沿線地域の皆様に新高速鉄道に親しみを持っていただくことを目的として、抽選で選ばれた635名の方々をご招待し、新設した成田湯川駅から印旛沼方面に往復約3kmのレールウォークを開催しました。当日は、天候にも恵まれ小学生から80余歳までの576名の方々に参加していただきました。

また、この日は工事関係者でもめったに見ることができなかった富士山を遠望することができ、参加者の皆様には、日ごろ体験できない「線路上からの景色」を楽しんでいただけました。

高速走行試験

列車走行試験
列車走行試験

土木工事や設備工事の完成を受けて、2010(平成22)年3月1日から3月21日に実際の列車を用いた走行試験を行いました。

走行試験は、整備主体である成田高速鉄道アクセス株式会社と施設の設計及び工事を受託した独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構、京成電鉄株式会社など関係機関と緊密な連絡を取り合いながら、安全運行を第一として最高時速160kmでの軌道、信号保安設備(自動列車停止装置含む)及び架線の性能などの乗り心地及び安全性の確認を行いました。

一連の試験が完了したことから、3月21日に運行主体である京成電鉄株式会社に鉄道施設の仮引き渡しを行い、乗務員等の習熟訓練が開始されました。

成田新高速鉄道 竣功式典

竣功式典
竣功式典

2010(平成22)年7月17日の開業に先立つ7月15日に、成田国際空港内の空港駅増設コンコースにて、「成田新高速鉄道 印旛日本医大駅~成田空港駅間 竣功式典」が執り行われました。

式典では、国土交通大臣政務官、国会議員、千葉県知事、地元自治体など、200名を超える多数の皆様のご出席のもと、当社の澤田諄社長(当時)のあいさつにはじまり、来賓のご祝辞、テープカット、くす玉割り等で盛大に鉄道の竣功が祝われました。

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